2009年3月17日火曜日

イライラ、クヨクヨはカラダを蝕む

東北で開催された足法講習会でのことです。私が出ていくと、みなさん食い入るように私を見つめています。足法の先生とはいったいどんな奴なんだ、どんな立派な話をしてくれるんだ、といった感じです。こちらも人間です。そんなとって食ってやるぞと言った雰囲気では、せっかく癒されに来た人たちと楽しい時間を過ごせません。そこで私は集まった受講者の皆さんを前に、「今日は、みなさんお一人お一人に前に出てきていただき、自己紹介をしてもらいます」と云ったところ、それまでの態度がパッと変わって、いきなり参加者の顏や体にピピッと緊張が走るの感じました。そう言って10秒ほど黙って全体を見回していますと、私の魂胆に気付いたらしい人が笑みを漏らし、やがて皆さん納得されたように笑顔に変わっていきました。

今日は筋肉のお話をしましょう、と云った直後の私の発言の意図が理解できたのでしょう。まさに百聞は一見に如かず、です。そのちょっとした実験で、もう皆さん筋肉がいかに瞬時に硬直したり、逆に弛んだりするかが体感として理解できたのだと思います。

私はよく「想い」が大切と云います。私たちの脳は、現実の出来事とイメージしたものとの区別がつかないと医学の世界では報告されています。私との会話に夢中になってた友人が、かき氷を口元に運んだ瞬間「熱ちッ」と云ったことがあります。唇に伝わった刺激を、彼の脳は「熱い物」とイメージしたのでしょう。

脳は、心地よい刺激には快楽ホルモンが分泌し、不快な刺激にはアドレナリンやノルアドレナリンを分泌します。山を歩いていて「熊だ!」とか、夜中に突然「火事だ!」なんて恐怖を感じたときにはアドレナリンが分泌されます。一方、ノルアドレナリンは激怒したりすると出るホルモンで、この二つは言わば非常事態を乗りきるための重要なホルモンとも云えるのです。

問題は、この二つのホルモンが年がら年中体内を巡っている状態は危険だということです。怒ったり、恐れたり、クヨクヨしたりと、とにかくネガティヴなことばかり考えて落ち込んでいると、このホルモンが含む猛毒にやられて、免疫力の低下や老化が進み、大病を患ったり早死にしてしまう可能性があるのです。(因に最小致死量は、体重1㎏当たり1㎎以下。蛇の毒より強いと言われたいます)

ノルアドレナリンもアドレナリンもサリン程の猛毒の分子であり、過剰分泌が問題視されています。不平不満・愚痴・悪口の巣窟のような人はもう大変てすね。そこで皆さんに思い出していただきたいのが「想い」の活用、つまり脳の用い方です。

脳は左右で役割が違っており、左脳で緊張し、右能でリラックスします。怒ったり、落ち込んだり、ねた嫉んだり、恨んだりしていると左脳優位になり、ノルアドレナリン漬けになります。ですから右能優位にもっていく必要があります。それには腹式呼吸がもってこいです。つまり、瞑想をするときの呼吸です。息を吸うときは交感神経が刺激され、吐くときは副交感神経が刺激されます。ですから呼気を長—くすることで、副交感神経が優位に働き、イライラやクヨクヨ、ムカムカが鎮まっていきます。そうすると右能優位の落ち着いた気分になってきます。

自然流体操にも瞑想に勝るとも劣らず、右能を活性化するパワーがあります。顏も体もダラーッと力を抜いて、10分〜30分、無心にクネクネするのです。このクネクネ中にα波が脳から出て三昧の境地に入っていくことができます。筋肉が弛めば持てる自然の力を存分に発揮してくれます。怒らず、恐れず、拘らず、強く、明るく、元気よく、今日一日に感謝しながら、自分らしくワクワクすることを優先してやりましょう。健康は、その後からついてきます。体内では、私たちの想像を超えた奇跡が毎日のように起こっているのですから。

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